architectアトリエ・アーキファースト 山口龍男

ボードウォークハウスの設計を担当する建築家、山口さんに家づくりについてインタビューしました。

家を設計するときに気をつかっていることはどんなことですか?

設計で大切にしているのは、まず最初に、建て主さん、そしてそのご家族が「どう暮らしたい」か、「どう生きていきていきたいか」を充分に話し合うことです。

家という器に生活を合わせるのではなく、まず生活ありきなんです。

どう暮らしたいか、の中から様々な要望が出てきます。それを形にしていくのが私の仕事です。
その形は、人によって千差万別。完全なオーダーメイドですから、どんな形があってもいいのです。

 

要望は全てかなうのですか?

もちろん予算や、法律、土地の形など、いろいろな制約と折り合いをつけながらですが、その中で、どうやったら要望が満たされるか、いろいろな方向から考えます。

ここで大事なのは、ご要望をそのまま図面にするとバランスやデザイン、果ては構造まで崩れ、建築としてなり立たなくなる場合もあるので、そのご要望を基本に、プロとして1歩前へ進んだご提案をすることです。

しかし、ここで3歩前へ出てはいけません。

 

3歩前へ、とはどういうことですか?

建て主さんとお話を始め、何度かプランを練り直していく間、建て主さんもいろいろと勉強されて、家や建築についての知識や見識がどんどん高まっていきます。

その際に、家づくりの意識の差をつけないように一緒にレベルを上げて行くことが大切です。

この意識レベルが合っていないうちに、3歩先へいってしまうと、「建築家の1人よがりで、自分の作品作りに走っているぞ」(笑)という話になってしまいます。

 

設計スタイルというものはありますか?

特に設計スタイルというものはありません。建て主さんのライフスタイルを形にするというのが、私の仕事ですから。

しいていえば、その場所、その土地に合う「たたずまい」というものを大切にしています。



ハウスメーカー時代と現在のアトリエで、設計に変化はありましたか?

ハウスメーカーで設計主任をしていた時は、週に30軒の新築案件を抱えていました。それは、ありがたいことではあるのですが、割ける時間に限界があります。

やはり家づくりは、建て主さんと一緒に、納得のいくまで話し合い、じっくりと時間をかけて作っていきたいという想いでアトリエを開設しました。


もし自由に作っていい、と言われたら、どんな家を作りますか?

難しい質問です。最初に言いましたように、家はそこに住む人が主役ですから、住む人の声がなければ設計できません。

例えば、私自身の家、ということでしたら...
私の好きな画家、菱田春草が描いた「落葉」という日本画があるのですが、そこにある凛とした空気感、たたずまい、空間にある複数の物体がお互いにせめぎあう緊張感を建築で表現したいと思っています。

住宅で言うと、できるだけ小さく、できるだけ間仕切りがない解放された空間で、内に外を内包する、あるいは内と外が一体となった空間を作りたい...ちょっと答えも抽象的で難しくなってしまいましたが(笑)

小さくても居心地の良いスペース、自然と一体となった空間で暮らしたい、ということです。
いつか形にしてお見せします。



時代とともに住宅も変遷していますが、これからの住宅とはどんなものと考えていますか?

時を重ねるたび味わいを増し、愛着をもって暮らしていける、そして街並の歴史とともに「文化」となっていくような家づくりが大切だと感じています。

 

山口さんにとって「家」とはなんですか?

家は、家族の幸せそのもの。家族の幸せな生活の最も基本となるものだと思います。

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